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紙芝居「かばくんのたび」



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ある日のことでした。
 南国生まれのかば君はどこかに旅に出たいと思いました。
 「うん〜、どこがいいかなぁ?さむいところがいいな〜?」
 かば君は悩みます。
 「あっそうだ!決めた!!」



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石かば県に行こう!北陸の石かば県は海もあって、山もあって、なにより食べ物がおいしいって聞くし、きっと素敵な仲間たちも沢山いるはずだ!
「よしっ!石かば県に決定〜!」
 そうときまれば、……。



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「さあ、出発だ!」
 ブィ〜ンン
 かば君は期待に胸を膨らませ、ついに石かば県へと向かったのでした。



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さて、石かば県に着いたものの、いったいどこに仲間がいるのやら、全く見当たりません。
「ここにはいないのかなあ……?へっくしょん!さ、寒いよう〜。」
「どうしよう〜……。う〜ん………」 「あっ!」



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「そうだ!石かば動物園にいる日本一長寿のかば『でかばあちゃん』に聞いてみよう!おばあちゃんならきっと何でも知っているはずだもの。おばあちゃあああああ〜ん。」
 かば君は能美市のある『石かば動物園』に向かいました。



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でかばあちゃんは本当にでかく、大きな目をしていました。
 「ねえねえおばあちゃん、素敵なお友達が沢山いて、おいしいものが沢山ある所ってどこにあるの?」
 「うう〜ん、そうじゃなあ、最近物忘れがひどくてのう、………。そうじゃ、近江町じゃ、地下にお店があるんじゃ、とにかくそこへ行ってみまっし。」
 うんわかったよ、ありがとうおばあちゃん!!」
 そういうと、かば君はいきおいよく近江町を目指しました。



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「うわああ〜い!おいしそうなものがいっぱいだあ〜!」
 かば君は近江町市場にたどり着きました。………すると、
 「あっ。地下に下りる階段があるぞ。ここかな!行ってみよう。」
 かば君が階段を下りていくとそこには………。
 『いらしゃああいっ』



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そこには沢山のかば達がいました。みんな心優しく暖かくかば君を迎え入れてくれました。
 ついに、かば君はここ石かば県で素敵な仲間に出会うことができたのです。
 かば君はとっても嬉しくなりました。
 「ねえ、かば君、今日はみんなで鍋をするし、一緒に食べようよ。」
 「えっ!いいの?わあ〜い!!嬉しいなあ〜」



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ぐつぐつ、ほかほか、みんなにこにこ。
 「いっただきまあ〜す!!」
 「おっいし〜い!」おいしいごはんとおいしいお酒。そして素敵なお友達に囲まれて、かば君は心から石かば県に来て良かったと思いました。
 「きみ、聞いたよ。南国から来たんだって?」
 隣にいたかばが話しかけてきました。



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「ぼく、かば山っていうんだ、よろしくね。」
 「ねえねえ、かば山君はどうしてお肌がそんなにツルツルなの?」
 「それはね、かば市にある山代温泉にいつも行ってるからなんだよ〜。とっても良い温泉だし、今度かば君も一緒に行こうよ。」
 「うんっ!行きたいっ!かば山君連れってて〜」
 そして、かば君はかば山君と一緒にかば市にある山代温泉に行きました。



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「はあ〜っ、いい湯だねえぇ〜、かば山君。」
 「うん、そうだね、………」………『グウウ〜〜ッ』(おなかの鳴る音)
 「そういえば、お腹がすいてきたね、かば山君。」
 「ここの近くにおいしいイタリア料理屋さんがあるんだよ〜」
 またまた隣にいたかばが話しかけてきました。
 「僕たちはこれからそこにごはんを食べに行くし、一緒に行こうよ。」
 『うん!!』 かば山君は山代にあるイタリア料理屋さんに行きました。



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「おいしい〜〜〜!」
 ここでもかば山君は素敵な仲間に出会うことができたのでした。
 「かば山君、僕、石かば県がすきになっちゃったよ。決めたよ。この石かば県で暮らす事にするよ。」
 「そりゃあいいね!!僕達も嬉しいよ!」
 かば山君は心から喜んでくれました。



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その後、かば君はついに、石かば県かば市かばの岬という場所を見つけました。
 それからというもの、素敵な仲間達と石かば県で楽しく暮らしました。
 実は、かば君には大きな夢がありました。
 その夢というと……。



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 訪れたみんなが笑顔になれる、元気になれる『カバーランド』をかば君はついに、ついに素敵な仲間達と一緒につくりあげましたとさ。
 ……おや、今日もカバーランドから楽しい歌声や子供たちの声が聞こえてきますよ。
 さあ、あなたも一緒に、ここ石かば県にあるカバーランドにいらっしゃい!



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おしまい



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